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【忘れられた名脇役】「8資産均等型」は今の相場でも通用するのか?オルカン全盛期に振り返る分散投資の基本

こんにちは、ゆうすけです。

現在、2026年4月。新NISAのスタートから2年以上の月日が経ちました。皆さんのポートフォリオ(資産の組み合わせ)はどのような状況でしょうか?

SNSやYouTubeの投資情報を眺めていると、「オルカン(全世界株式)一本でOK!」「S&P500が最強!」という声が圧倒的多数を占めていますよね。世界的なインフレやAIブームを背景に、株式市場が力強い上昇を見せてきたここ数年を振り返れば、その主張にも頷けます。

しかし、そんな「株式100%・オルカン全盛期」の影で、ひっそりと存在感を薄れさせている”名脇役”がいます。それが、「8資産均等型」などのバランスファンドです。

実は私も、初めてNISA(旧つみたてNISA)口座を開設した2018年頃は、この「8資産均等型ファンド」に毎月コツコツ投資をしていました。当時の投資本では「初心者ならまずはこれ!」と大定番だったからです。

それが今では、「リターンが低い」「効率が悪い」「オワコンだ」などと厳しい意見をぶつけられることも増えました。でも、本当にそうでしょうか?

今回は、過去のブームと現在の市況を比較しながら、株価上昇に隠れて見えにくくなっている「リスク」という観点から、8資産均等型ファンドの実力を再評価し、今の相場だからこそ通用する分散投資の基本について徹底検証していきます。

 

1. そもそも「8資産均等型」とは?

まずは基本のおさらいです。「8資産均等型」とは、文字通り8つの異なる資産に均等(12.5%ずつ)に投資を行うバランス型投資信託のことです。

▼ 8資産均等型の投資割合イメージ

株式(国内・先進国・新興国)合計 37.5%
 
債券(国内・先進国・新興国)合計 37.5%
 
REIT・不動産(国内・先進国)合計 25.0%
 

代表的な商品は「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」などです。実はオワコンと言われながらも、2026年4月現在で純資産総額は約4,700億円を突破しており、堅堅実な投資家からは今でも根強い支持を集めています。

この最大の設計思想は、投資の黄金ルールである「卵を一つのカゴに盛らない(分散投資)」を、これ一本で極限まで体現している点にあります。

2. なぜ「オルカン全盛期」に影が薄くなったのか?最大のデメリットとは

では、なぜ昨今、8資産均等型の評判がイマイチなのでしょうか。その理由は非常にシンプルで、「ここ数年、株式のリターンが良すぎたから」です。

ここで明確にお伝えしておかなければならない重要な事実(デメリット)があります。

それは、10年、20年という長期投資を前提とする現役世代にとって、「リターンの最大化」という観点では、オルカンやS&P500に劣るリスク(機会損失)があるということです。

相場全体が右肩上がりの好景気の時、利益を強く牽引するのは間違いなく「株式」です。株式比率が37.5%しかない8資産均等型は、半分以上をリターンの低い債券や不動産に振り分けているため、株価上昇の恩恵をフルに受けることができません。

比較項目 オルカン(全世界株式) 8資産均等型
期待リターン 高い やや低い(機会損失あり)
価格変動リスク 大きい(暴落時は半値も) 抑えられる(マイルド)
主な目的 資産を最大限に「増やす」 資産を「守りながら増やす」

▼ 【直近推移】オルカン vs 8資産均等型 リターン比較(2019年起点=100%)

 
オルカン(全世界株式)
 
8資産均等型
300%
200%
100%
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
'19
'20
'21
'22
'23
'24
'25
'26

※2019年4月を起点(100)とした基準価額(分配金再投資)の推移。2026年は4月直近時点。
※データ元:Yahoo!ファイナンス等を基に筆者作成

上のチャートを見ていただくと一目瞭然です。コロナショックがあった2020年('20)の下落幅を見ると、オルカンが大きく凹んでいるのに対し、8資産均等型は下落がややマイルドに抑えられています。

しかし、2024年〜2026年にかけての「株高局面」では、オルカンが資産を約3倍(300%超)に急拡大させた一方で、8資産均等型は約1.8倍(約180%)の成長にとどまっています。これが、現役世代にとっての「機会損失リスク」の正体です。

ですが、これは陸上競技で例えるなら、「マラソン選手に100m走のタイムで勝負を挑み、遅いと批判している」ようなものです。そもそも目的が違うのです。

3. 「8資産均等型」が持つ3つの圧倒的強み

8資産均等型は「リターンを最大化する」ためではなく、「リスク(価格の振れ幅)を抑えて、安定して資産を増やす」ために作られています。その観点から見ると、以下の3つの素晴らしい強みが見えてきます。

① 暴落時の「クッション効果」が絶大

株式相場が暴落した時、投資家のメンタルを守る最大の防具が「債券」です。8資産均等型には債券が合計37.5%組み込まれています。もし「〇〇ショック」が起きて株価が半値になっても、債券部分が下落を食い止め、資産全体のダメージを和らげてくれる「クッション」の役割を果たします。

② 勝手にやってくれる「自動リバランス」

相場が動くと、当初12.5%ずつだった比率が崩れていきます。8資産均等型ファンドは、定期的にこの比率を「元の12.5%」に戻す調整(リバランス)を自動で行ってくれます。これはつまり、「値上がりして割高になった資産を少し売り、値下がりして割安になった資産を買う」という投資の鉄則を、感情を挟まずに機械的にやってくれるということです。

③ 「円高」への耐性(為替リスクの分散)

オルカンやS&P500は、中身のほとんどが外貨建て資産です。そのため、急速な「円高」が進むと、為替差損によって資産価値が目減りします。一方、8資産均等型は、国内の株式・債券・REITという「円建て資産」が合計37.5%含まれています。為替の先行きが読みづらい2026年現在において、この「為替分散」のメリットは非常に大きいです。

4. 【シミュレーション】大暴落が起きたら資産はどうなる?

リスクの大きさを具体的にイメージするために、簡単なシミュレーションを行ってみましょう。
仮に、手元に1,000万円があり、歴史的な大暴落(株式市場が-50%下落)に見舞われたと仮定します。

※条件:株式-50%、REIT-30%、債券+10%(安全資産への資金逃避)とし、為替は考慮しない。

▼ 大暴落時(〇〇ショック)の資産残高シミュレーション

オルカン(株式100%)の場合: 残高 500万円(-50%)
 
8資産均等型の場合: 残高 775万円(-22.5%)
 

オルカンでは資産が半分に吹き飛んでしまうのに対し、8資産均等型であれば損失を20%台に抑えることができています。

頭では「暴落してもガチホすればいい」と分かっていても、実際に自分の資産残高が数百万単位で溶けていく画面を前にして、平常心を保てる人はごく僅かです。「もう耐えられない!」と底値でパニック売りしてしまうリスクを減らすことこそが、8資産均等型の真価なのです。

5. 初心者が陥りやすい「リスク許容度」の勘違い

投資信託を選ぶ際、多くの人が「これくらい増えそう」というリターンばかりに目を向けます。しかし、投資で最も大切なのは「自分がいくらまでなら損に耐えられるか(リスク許容度)」を正確に把握することです。

SNSで「みんなが株100%でやっているから」という理由だけでオルカンを選んだ人は、いざマイナスになった時に非常に脆いです。メンタルを守り、投資から退場しないためにも、以下のフローを参考にしてみてください。

▼ あなたに合うファンド選びのフローチャート

一時的に資産が半分になっても耐えられるか?
YES!(長期間運用できる)
▶ オルカン・S&P500が最適
NO...(気になって眠れない)
▶ 8資産均等型を検討!

6. よくある質問(Q&A)

Q1. オルカンと8資産均等型、両方持つのってアリですか?

A. アリですが、少し中途半端になるかもしれません。
両方を半々で持つと全体の株式比率は約68%になります。意図的にリスク調整をするならOKですが、基本はどちらか一本に絞るか、「オルカン+現金預金」で管理する方がシンプルです。

Q2. 8資産均等型は新興国が含まれているのが不安です…

A. カントリーリスクはありますが、起爆剤にもなります。
新興国株式と債券を合わせても全体の25%です。新興国経済が急成長する局面ではリターンを押し上げる効果もあり、広く分散するという基本思想に則っています。

7. まとめ:今の相場だからこそ「名脇役」を見直そう

いかがでしたでしょうか。2026年現在、株高のニュースに沸き、SNSでは「爆益報告」が溢れています。しかし、相場には必ずサイクルがあり、永遠に上がり続ける相場はありません。

本記事のまとめ

  • 現役世代にとって「リターン最大化」の面ではオルカンに劣るのが事実。
  • しかし、8資産均等型は「減らさないこと」に特化した守りの要
  • 暴落時のクッション効果、自動リバランス、円高耐性など、リスクを抑えるメリットは絶大
  • 投資の主役は、他人の評価ではなく「自分自身が夜安心して眠れること」

「オルカンが正解、8資産均等型は間違い」という単純なものではありません。もし今、あなたが株式100%のポートフォリオを見て、「ちょっとリスクを取りすぎているかな?」と感じているなら、この「忘れられた名脇役」をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

焦らず、自分のペースで、心地よく投資を続けていきましょう!

今回の記事が参考になったという方は、ぜひSNSでのシェアをお願いします!それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

ゆうすけ


参考文献
* [1] Yahoo!ファイナンス: eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)【03312175】:基準価格・投資信託情報 (2026年4月)