こんにちは、ゆうすけです。
新NISAのスタートから2年が経過し、相場も様々な波を経ていますが、皆さん投資の調子はいかがでしょうか?
さて、日本株市場を振り返ると、2023年春に東京証券取引所が異例の「PBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正要請」を出したことが大きな転換点となりました。あれから約3年が経ち、上場企業の多くが必死になって自社株買いや大幅な増配を行い、PBRを1倍に乗せようと奮闘してきましたね。
しかし、2026年の今、市場のプロや海外投資家たちの視線は、すでに「その先」へと移っています。
無理やり自社株買いをしてPBRの見栄えを良くするだけの「第1幕」は終わりつつあります。ここから始まる「第2幕」のキーワードは、ズバリ「ROIC(投下資本利益率)」です。企業が本業でどれだけ効率よく稼いでいるか、その「真の稼ぐ力」を見極めるフェーズに入ったのです。
今回は、少し玄人好みのテーマになりますが、これからの日本株投資で絶対に知っておきたい「ROIC」の仕組みと、真に企業価値を向上させている優良銘柄の探し方を徹底的に解説します!
PBR1倍割れ是正の「その先」とは?東証改革・第2幕のリアル
過去3年間、多くの企業がPBR1倍を超えるために株主還元(配当や自社株買い)を強化しました。これにより、日本の株式市場全体が底上げされたのは事実です。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。株主還元は、あくまで企業の手元にある「過去の利益の蓄積(現金)」を取り崩しているに過ぎないケースが多いのです。本業の稼ぐ力が高まっていないのに、還元だけを手厚くしても、いずれ資金は枯渇し、企業の成長は止まってしまいます。
海外の機関投資家たちは、この「見せかけのPBR1倍」をすでに見抜いています。「手元の現金をばらまいてPBRを上げた企業」と、「事業投資を行い、効率よく稼いでPBRを上げている企業」を選別し始めているのです。
▼ 東証改革のフェーズ移行
PBR1倍割れの是正
自社株買い・増配による還元
資本コスト(ROIC)重視
本業での「真の稼ぐ力」の評価
そこで東証も、さらなる企業価値向上策として、資本コストを意識した経営を強く求めています。その中心となる指標が「ROIC」なのです。
投資の常識が変わる!「ROE」と「ROIC」の決定的な違い
株式投資の指標として有名なのが「ROE(自己資本利益率)」ですね。ウォーレン・バフェット氏も重視する指標として知られていますが、実はROEには「弱点」があります。
| 指標 | 計算の分母(元手となるお金) | 特徴・弱点 |
|---|---|---|
| ROE (自己資本利益率) |
自己資本のみ (株主から集めたお金+利益の蓄積) |
弱点:借金(負債)を増やすことで、自己資本比率を下げ、数値を簡単に高く見せかけることができる。 |
| ROIC (投下資本利益率) |
投下資本(自己資本 + 有利子負債) (株主のお金+銀行から借りたお金) |
強み:借金を含めた「事業に投下したすべてのお金」を見るため、ごまかしがきかず「真の稼ぐ力」が分かる。 |
ROEの弱点:借金で見栄えを良くできる
ROEは「当期純利益 ÷ 自己資本」で計算されます。株主から集めたお金(自己資本)に対して、どれだけ利益を出したかを見る指標ですが、借金(負債)を増やせば、自己資本の比率が相対的に下がるため、ROEの数値を簡単に高く見せることができてしまうのです。
ROICの強み:ごまかしがきかない「真の稼ぐ力」
一方、ROIC(Return On Invested Capital:投下資本利益率)は、「税引後営業利益 ÷ 投下資本(有利子負債+自己資本)」で計算されます。
株主から集めたお金(自己資本)だけでなく、銀行から借りたお金(有利子負債)も合計した「事業に投下したすべてのお金」を使って、本業でどれだけ利益(営業利益)を出したかを見ます。借金を増やしてごまかすことができないため、経営の効率性を測る上で最もシビアで正確な指標と言えます。
【具体例でシミュレーション】企業Aと企業Bの比較
数字を使って具体的にシミュレーションしてみましょう。どちらも事業に使っている総額(投下資本)は100億円、稼いだ利益は10億円という条件です。
▼ ROE・ROICの比較シミュレーション
🏢 企業A(堅実経営:自己資本100億・借金0)
🏢 企業B(借金でレバレッジ:自己資本20億・借金80億)