こんにちは、ゆうすけです。
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以前、不動産投資の初心者である僕が
新築ワンルームマンションを買いかけた話を書きました。
今日はそんな私がワンルームに懲りずに新築アパートを買いかけた体験談を紹介します。
※本記事に新築アパート投資を揶揄したり否定する意図はありません。
※あくまで筆者自身の無知が招いた出来事という視点でお読み頂ければと思います
まず、新築アパート投資は不動産投資では上級者向けとされています。
その理由は、新築アパート投資を成功させるには次の3つの要素が必要だからです。
①良い土地を買う
②良い建物を設計する
③良い建物を建てる
ここの「良い」には次の意味が含まれます。
「立地がいい」
「相場より安い」
「トラブルが少ない」
「客付けしやすい」
「品質がいい」
「修繕が少ない」
これらの条件を満たすのは初心者には不可能に近いので上級者向けなんですね。
それでも初心者の私はこんなことを考えてしまったんですよね〜
当時の僕のそんな気持ちにうまく入り込んできてくれたのが新築アパート専門業者のK社でした。
1.新築アパート業者K社との出会い
K社との出会いのきっかけはホームページからの資料請求です。
この会社は不動産営業でよくある「飛び込み電話」や「まちかど名刺交換」はやらず、テレビCMや広告を打ちまくって問い合わせを待つ営業スタイルでした。
資料請求した直後に担当営業からメールが来て、
•オンラインでの個別説明会
•都内オフィスでのセミナー
のどちらかを選ぶように言われて、セミナー会場が自宅から片道1時間半かかる場所だったのでオンライン説明会に即決しました。
2.オンライン説明会の内容
1週間後にオンライン説明をしてくれたのは
まだまだ新米といった感じで資料を棒読みの営業さんでした。
と思いましたが、資料自体は社内のプロが作っただけあって
とても上手に作られていました。
•都市部の駅徒歩10分以内の土地を厳選
•木造でも最高等級○○の耐震性
•入居者アンケートに基づく十分な設備とオシャレな内観
•自社管理物件の入居率9x%を維持
•良立地なので出口戦略も豊富
などなど、
リスクをリスクと思わせない素晴らしいマーケティング資料でした。
そこにノせられてしまった僕は次回にさっそく物件紹介をお願いしました。
3.買いかけた物件のハナシ
ソッコーで物件紹介を依頼した僕でしたが、
自分なりの基準は決めてました。
•駅まで徒歩7分以内
•コンビニorスーパーまで徒歩3分以内
•ハザードマップで危険地域に入らない
•日当たりや騒音に問題がない
•準工業地域や中高層地域ではない
•実質利回り5%以上はある
そして当日紹介してもらった物件はこんな感じでした。
※案件バレ防止のため少し加工してますが、利回りなどは同じです。
■立地 東京23区内の最寄駅から徒歩6分
■最寄駅 地下鉄直通の私鉄駅(山手線駅まで約20分)
■建物 木造2階建て 全6戸 面積11㎡のロフト付
■価格 8600万円(土地5000万)
■家賃 月34万8千円(サブリース、管理費込み)
■利回り 表面4.9%
■想定CF 月+5万円
■融資 金利1.9% 35年 借入額8550万
自分の基準と照らし合わせると
•近くにコンビニとスーパーがない
•川が近くにあり、ハザードマップで0.5m浸水の危険地域
•利回りが低い
この3点がNGだったので営業さんに話すと
「今近くにドラックストアが建設中」
「一級河川なので堤防がしっかりしていて役所に確認しても過去浸水履歴は無かった」
と教えてくれました。
ネットで調べるとドラッグストアは確かに徒歩3分の場所に建設中でしたし、
浸水履歴は役所の文書をコピーしたものを見せてくれました。
この丁寧な対応に感銘を受けて、利回りに目をつぶってしまったのが大間違いだったことは言うまでもありません…
それでも僕は実物を見るまではOKは出さず、
その日から1週間後に妻と子どもを連れて現地を視察に行きました。
行ってみると、駅前は再開発が進みキレイになっていて
不動産屋で賃貸相場を見ても問題無さそうで、
物件の隣に住むご夫婦ともお話ができて地域の雰囲気もとても好印象でした。
融資の算段も付いていたので、
この日に妻とも相談をして契約しようとなりました。
しかし、契約直前に僕はこの物件を買ったらヤバいと気がついてしまったのです。
4.ヤバいと気づいた理由
購入することを決めると、
早くも「買った後」のことが気になった僕は真っ先に税金のことを調べました(いまさら!!)
とポジティブに節税方法を考えていたところで3つのヤバさに気がついてしまったのです。
①土地値が相場より高い
節税のキモになる「減価償却」は、土地には適用されません。
そこで、まず自分で調べたのは土地値は適正なのか?です
国税庁HPなどで最新の坪単価を調べたところ契約額は市場値より約1,000万円ほど高いことが分かりました。
営業さんに確認してみましたところ、
•路線価は相続税などの評価なので実際の土地取引ではあまり参考にならない
•実際は時価取引となるので近隣の土地でも値差は発生する
•値引きや建物価格との調整は出来ない
という返答でした。
これでは出口戦略で損するリスクが上がってしまうと判断しました。
②減価償却期間が終わるとCFが出ない
30年後までの収支計算を独自のExcelを使ってもうやり直しました。
すると、22年目を境にキャッシュフローが全く出ない(むしろ赤字になる)ことが分かったのです。
これは衝撃でした。
K社が見せてくれた収支シミュレーションでは、
・家賃下落
・退去コスト
・大規模修繕費用
・各種税金(不動産取得税•固定資産税•都市計画税)
これらを加味してもキャッシュフローはプラスになっていたので安心していました。
しかしそこには所得税と住民税が入っていなかったのです!!
木造は22年で減価償却が終わります。
それによって23年目以降は所得税住民税が爆上がりして
キャッシュフローが全く出なくなりました。
と考えましたが、新築時でやっと月5万円のプラスです。
これが家賃下落や修繕でドンドン下がって行き、現金はほとんど貯まらないことも同時に分かりました…
つまり、営業さんが見せてくれるシミュレーションだけに頼りすぎて本当のリスクをわかってなかったのです。
③ウラケンさんの動画でノックダウン
極め付けは、税金を学ぶためにYouTubeで見たウラケンさんのこの動画です。
この動画で初心者が新築アパートで儲けるのは難しいことを悟りました。
※新築アパート投資がダメなんじゃなくて、あくまで初心者である僕が現時点で取り組むべきではなかった、ということです。
結果、僕は契約しないことを営業さんに伝えました。
理由は聞かれましたが
と伝えたらそれで終わりました。
(この引き際からしてもK社は良い会社だと思います)
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というわけで僕は新築アパートを買わずにタネ銭を貯めながら今も不動産投資を勉強中です。
不動産投資はうまくいけば安定した資産を築ける一方で、
購入を大きく間違えればリカバリーが難しいのが他の投資とは違う特徴です。
自己資金が数千万あれば話は別ですが、初心者にとって新築はマンションもアパートもハードルが高いのを身をもってしりました。
まずは中古から始めるためにしばらく資産運用でタネ銭を貯めます!
不動産投資について学びたい方はぜひウラケンさんや両学長の書籍も読んでみることをおすすめします。
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ゆうすけ