こんにちは、ゆうすけです。
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少し前の日経新聞の「高スキルの若者、転職で争奪」という記事でこの部分がとても気になりました。
大手銀行からIT系ベンチャーのマネジャー職に転職した20代男性は年収は下がったが、「キャリア形成のほか、社会貢献度の高さが決め手になった」と話す。
選択は人それぞれなので否定する気はありませんが、僕は年収が下がる転職はやめた方がいいと思っています。
わざわざ時間と労力をかけたのに今より年収が下がるならその転職活動は失敗です。なぜなら、年収を下げてしまうことには多くのリスクがあるからです。
今回はこんな疑問に答える記事になっています!
実際に僕も年収を約20%下げてしまって転職したことがあります。
その経験から、転職で年収を下げてはいけない理由と、年収を下げないで転職する方法について紹介していきます。
1.転職市場で年収が決まる3ステップ
ここでは採用する企業側がどのようなステップで転職者の年収を決めるかをまず知っておきましょう。
相手を知れば傾向と対策が見えてきます。
ステップ①前職での年収はいくらか
このステップが年収を決めるのにイチバン重要です。
一般的な経験者採用は、前職の年収をベースにオファー年収を検討します。
たまに例外はありますが、一次面接に合格したところで人事担当者から
と大体聞かれます。
ここで年収額をどう伝えるかがオファー年収に大きく影響します。
ちなみに現職年収をごまかすと後日バレたときに「経歴詐称」で内定取り消し、入社後は減給や解雇になることがあります。
現職年収は社会保険や源泉徴収票などで簡単にバレるのでやめましょう(ウソ、ダメゼッタイ)。
ステップ②求められるスキルや経験があるか
経験者採用の場合は、書類選考やWebエントリーで足切りがかかるステップです。
採用企業が求めるスキルや経験があれば、あとは前職での実績や経験によって部署や職位を採用企業側で検討して大体のオファー年収を見積ります。
ここでのベースになるのは前職の年収なのでステップ①が重要なことが分かりますね。
ステップ③自社の人事制度にハマるか
前職の年収も分かって、スキルや経験が分かれば後は自社の人事制度上でいくらの年収が出せるかを検討します。
年功序列が根強い会社だと、スキルや経験があるのに年齢によって前職を下回るオファー年収しか出せないというケースもあります。
ここで最終的なオファー年収が決まって「内定通知書」や「オファーレター」といった書面で正式に転職後の年収が通知されます。
以上が転職で年収が決まるステップになります。
次は転職する側の視点で、転職で年収が下がるパターンを解説していきます!
2.転職で年収を下がるパターン3選
パターン①未経験職種への転職
経験者採用ではない、いわゆる「未経験OK」で募集されている仕事です。
仕事はスキルや経験がなくても応募できますが、裏を返せば競争率が低いので年収や待遇も低くなってしまいます。
よほど前職の実績が飛び抜けていたり、事前対策をしていない限りは年収が下がることは避けられません。
未経験の例は営業職→エンジニア、販売職→経理職など畑違いの職種に転職するケースです。
例えば営業として技術もよく理解して、管理職としてマネジメント力にも長けていた人ならば未経験のエンジニアでも年収上がる可能性があります。
僕も営業職から未経験でコンサルタントへ転職しましたが年収は15%アップさせました。
しっかりと準備すれば未経験でも年収は上げられるので後ほど説明します。
パターン②ベンチャーへの転職
「やりがい」や「キャリア」や「経験」を優先して年収減を受け入れるパターンですね。
20代ではこのパターンが多いのではないでしょうか?
僕も20代の時にマイナス20%を経験したのがこれです。
ベンチャーの場合、多くは資金に余裕がありません。
しかし事業拡大には人手が必要なので年収は下げるけどストックオプション(新株優先権)やオリジナリティ溢れる手当制度を掲げて募集している会社が結構あります。
また、ベンチャーの場合は企業年金が無いので自分でiDeCoを始めなければならなかったり、健康保険料が高かったりと額面年収は同じだとしても手取り額が減ることがあるので福利厚生面もチェックしましょう。
僕も20代中盤の時に「やりがい」だけを求めて年収が下がることを気にしない転職をして、3年で限界が来たことがあります…汗
「やりがい」と「年収」はトレードオフの関係ではありません。
両立させる転職はいくらでも可能なので、その方法も後ほどご紹介します。
パターン③給与交渉で妥協
これも経験している方は多いのではないでしょうか?
面接の場で希望年収を正直に伝えられず、オファーされた年収が結局低かったというパターンです。
僕もかつてこんな心配をしていました。でも大丈夫です。
希望年収は、しっかりと根拠を固めて採用企業も納得するよう正直に伝えれば前職年収+αでも受け入れてくれます。
これも原因はとてもシンプルで対策があります。
3.よくある後悔3選
後悔①やりがい搾取で疲弊する
「お金よりやりがい!」
最初に紹介した日経記事の20代男性も年収よりもキャリア形成や社会貢献度を優先したと話していました。
年収は下がったが、「キャリア形成のほか、社会貢献度の高さが決め手になった」と話す。
この選択を否定する気は全くありませんが、この優先度で転職を決めてしまうと長く働いている間に精神的にキツイ時が来ることがあります。
働くことの理由=モチベーションは人それぞれですが、現実は日本人の約60%が「働く理由はお金」と回答しています。
働く対価としてお金が得られていない、さらに過去の自分より頑張っているのに今の自分の方が稼いでいない
この状況が1年続くと徐々にメンタルがつらくなってくるんですよね。
起業家志向の方はこの状況を楽しむ方もいますが、そうでない人はやりがい搾取の状況に陥りやすいです。
という自己暗示を掛けながら疲弊していくのが「やりがい搾取」の典型例ですね。
苦労が報われる時をイメージして頑張ることは僕も大賛成です。でも
「それ、年収を下げる必要あったの?」
と僕はいつも聞きたくなります。
後悔②生活水準が下がって生活が苦しくなる
皆さんは一か月に必要な生活費を数字で明確に把握していますか?
一か月に最低限必要な生活費をしっかり把握している人は意外と少ないそうです。
そして生活費を把握していない人は当然、余剰資金も把握できません。
余剰資金が分からないと、今よりどれくらい年収を下げても生活水準をキープできるか把握できません。そして、
こんな感じで勢いにまかせて転職をしてしまいがちです。
しかし転職してみると、家賃やスマホ代など固定費を払うと全然余裕がないことに気づいて貯金を取り崩したり、最悪の場合カードローンに手を出したりすることになります…
自分の家計管理によほどの自信がない限りは、コントロールできない状況に陥りかねないので年収が下がる転職は避けたほうが良いです。
後悔③次の転職先の年収が低くなる
「年収が決まるステップ」③の通り、転職先の年収は現職の年収がベースです。
だから一般的には、現職の年収を低くしてしまうと次も低くなってしまうんです。
もちろん、低い年収でも圧倒的な実績を残せば高い年収で転職できることもあります。
ベンチャーで取締役まで行って今は外資コンサルでディレクターやっている人なんかはこのパターンに近いかもしれませんね。
ただ、若くてやりがいを求めて年収を下げてしまったサラリーマンの場合はリカバリーがけっこう大変で、年収をもとに戻すには2回くらい転職をする必要があると思います。
しかも、実績がないのに転職を繰り返すとタダのジョブホッパーと見られます。それでも若いうちはポテンシャルで採用されますが、加齢とともに転職機会も年収額もアタマ打ちになります。
まずは今の仕事でしっかり実績を出しましょう。
4.年収を下げずに転職する方法3選
ここまで年収が下がるパターンとよくある後悔パターンで、年収下げ転職の傾向を紹介してきました。
最後は対策として年収を下げずに転職する方法を解説します。
方法①希望年収を論理的に伝える
よく誤解されることとして、希望年収=欲しい年収ではありません。
なんて言っても採用企業は相手にしてくれません。
希望年収=現職年収+α
です。あとは+αの部分を論理的に伝えることが大事です。
採用企業、つまり決裁する採用部門の責任者に納得してもらいやすい理由の例としては、
・ライフプラン(自宅購入資金、教育資金、親の介護資金など)
・現職年収からの一定率アップ(+10~20%)
・他社でxx万円でオファーを受けているからそれ以上(ウソ厳禁)
採用担当者もプロなので年収の相場観も大体わかっています。
つまり「この人だったら採用市場でxx万円くらいだな」と分かるので他社オファーのウソなんか余裕で分かります。(採用担当同士でつながっている場合もあります)
希望年収は、採用担当者が納得しやすく採用担当の責任者がハンコを押してくれるような理由を論理的に正直に伝えるようにしましょう。
方法②転職の目的を前向きに表現する
「今の会社が忙しいから…」「上司とソリが合わないから…」
こういった理由で転職する人は多いですが、これを転職理由としてそのまま採用企業に伝えると年収を下げるきっかけになりかねないのでNGです。
後ろ向きな理由の転職者を採用企業は懐疑的に見ます。
「うちに入っても同じことで文句を言うんじゃないか?」
「人間関係が苦手なんじゃないか?」
この時点で転職活動が不利になります。
たとえ実態はそうであっても、履歴書や面接での転職理由は前向きに表現しましょう。
自分のスキルと経験を生かしたキャリアアップ
軸になる転職理由はこれオンリーです。
あとはここに自分の経験や実績で枝葉をつけていけば、自分の転職目的が出来上がるので、転職活動前には必ず準備をしましょう。
はい、ウソはダメゼッタイです。
ただし、転職理由というのは「事実」ではなく「解釈」なんです。
「忙しいから転職したい」というのはある人の「解釈」であって「忙しいけど働きたい」という人もいるわけです。
この解釈を変えることはウソではなく「解釈の変更」です。だからドンドンと前向きに変えていきましょう。
方法③転職エージェントを活用する
ここまで年収交渉と転職目的の対策を紹介してきましたが、これらを一気に解決する方法が転職エージェントの活用です。
・年収交渉は自分からは言いにくい
・転職目的の作文が上手くできない
といった悩みは僕もありました。
しかし、転職エージェントにはこんなサービスがあります。
・年収交渉はエージェントが企業と行ってくれる
・転職目的の作文=職務経歴書を企業目線で添削してくれる
なぜこんなことをしてくれるかというと、エージェントは転職が成立すると契約年収の数%~数十%を手数料として企業から受け取る成功報酬型です。
だから僕らの転職が上手くいくよう全力でサポートするし、年収が少しでも上がるよう交渉してくれるのです。
僕がおすすめするエージェントはJACリクルートメントとリクルートエージェントです。
JACはハイクラスな外資系やIT業界が得意です。
リクルートは登録企業数がおそらく国内トップなので幅広い職種や企業を紹介してもらいやすいです。
どちらも登録や相談は無料なので気になる方はぜひ問い合わせてみると良いです。
5.まとめ
転職は人生において大きな選択です。
そして仕事において重要な要素は報酬つまり年収です。
自分自身の価値はカンタンに下げては人生の価値を下げているのと同じです。
今回の記事でどんな転職パターンでも年収を上げる方法を解説したのでぜひ参考にしていただけると嬉しいです!
- 転職で年収を下げたらダメ、ゼッタイ!
- 転職活動でしっかり準備をして年収が上がる転職をしよう
- 転職エージェントを活用して、希望年収と転職理由(職務経歴書)をしっかり固めよう
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ゆうすけ
転職するのに年収を下げるのはおすすめしないなー
— ゆうすけ@投資ブロガー/株/仮想通貨/不動産 (@learntoushi) 2021年2月5日
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